中国輸入関税率表を公開!アメリカ・中国間の関税が高い理由を徹底解説!
アメリカ・中国間の関税が高い理由は米中貿易摩擦が原因です。アメリカの貿易赤字や貿易の不均衡の解消を目標に、2018年に関税の引き上げを宣言したことがキッカケとなっています。
そこでこの記事では、アメリカ・中国間の関税について解説しています。
関税がかかる商品リストや関税を安く抑える方法についても紹介していますので、最後までご覧ください。
そもそも関税とは?
海外からの輸入品に対して課せられる税金のことを関税といいますが、日本での関税率は法律と条約に基づいて決まっているのは周知の事実です。
「関税定率法」と「関税暫定借置法」では国定税率が定められており、このうち「関税定率法」では基本税率(7,000以上の税率)が定められています。
一方「関税暫定借置法」では基本税率に優先して適用される「暫定税率」や「特恵税率」があります。
また、条約に基づいて定められている税率として「協定税率」があり、国定税率より低い場合に課せられる仕組みです。
協定税率が適用される国はWTO加盟国や地域、最恵国待遇を約束している国となっています。
このような関税の制度が各国で異なる場合、国際貿易では障害になるため、HS(国際統一商品分類)にすべてまとめられているので、スムーズな貿易が可能になっていると言えるでしょう。
さらに従価税や従量税、混合税などの税率の形態を定めていることで、価格が変動する輸入品に対して適切な関税をかけて国内産業の保護や財政上の問題解決ができるとされています。
米中貿易摩擦はまさに、自国の製品を売りやすくしたり雇用を確保したりといった、自覚の産業を保護するために行われていることです。
アメリカ・中国間の関税が高い理由について
冒頭でお伝えした米中貿易摩擦では2018年の宣言以降、中国製品に対して次々に関税がかけられたり、税率が引き上げられたりといった政策が行われました。
アメリカが最初に関税をかけたのが鉄鋼製品
中国の工場で安価に大量生産された鉄鋼製品に、高い関税をかけて自国の産業を守ろうとしたのが始まり
そこから半導体やロボットなど中国製品に対して関税をかけたことで中国が強く反発し、アメリカから大量に輸入していた食料品に関税をかけ返したことがキッカケで、両国ともに半数以上の品目で関税がかけられるようになりました。
このように両国ともに輸入品の半分以上に関税がかけられましたが、2020年1月に行われた米中貿易協議で双方ともに譲歩した形に落ち着いたものの、2022年になっても改善されたとは言えない状況です。
輸出先の40%ほどを中国とアメリカが占めている日本にとっても中国貿易摩擦は大きな影響を持つため、両国の対応に注意する必要があります。
関税がかかる商品リスト
HSに基づいて作成された実行関税率表から中国やアメリカなど、各国の輸入品に対する関税品目や税率が確認できます。
実行関税率表は21部97類に分かれており、2022年4月1日に掲載されたものを一部抜粋したものが下記になります。
第1部は動物(生きているもに限る。)及び動物性生産品 | 第5類まで |
第2部は植物性生産品 | 第6類から第14類まで |
第3部は動物性、植物性又は微生物性の油脂及びその分解生産物、調整食用脂並びに動物性又は植物性のろう | 第15類 |
第4部は調調製食料品、飲料、アルコール、食酢、たばこ及び製造たばこ代用品、非燃焼吸引用の物品(ニコチンを含有するかしないかを問わない。)並びにニコチンを含有するその他の物 品(ニコチンを人体に摂取するためのものに限る。) | 第16類から第24類まで |
第5部は鉱物性生産品 | 第25類から第27類まで |
第6部は化学工業(類似の工業を含む。)の生産品 | 第28類から第38類まで |
第7部はプラスチック及びゴム並びにこれらの製品 | 第39類、第40類 |
第8部は皮革及び毛皮並びにこれらの製品、動物用装着具並びに旅行用具、ハンドバッグその他これらに類する容器並びに腸の製品 | 第41類から第43類まで |
第9部は木材及びその製品、木炭、コルク及びその製品並びにわら、エスパルトその他の組物材料の製品並びにかご細工物及び枝条細工物 | 第44類から第46類まで |
第10部は木材パルプ、繊維素繊維を原料とするその他のパルプ、古紙並びに紙及び板紙並びにこれらの製品 | 第47類から第49類まで |
引用 : customs.go.jp一部抜粋
実行関税率表は時期により異なり、あくまで参考として掲載されているものになっているので、実際の取引時には各税関の税関相談官にお問い合わせしてください。
関税を安くおさえる方法はあるの?
商品の生産国や品目などによって関税は異なるため、安く抑えることはできませんが、覚えておいて損のない決まりがあるので紹介します。
どの国から輸入する商品でも商品代金が16,666円未満の場合、関税の項目に関わらず消費税と関税がかかりません。
少量の商品を個人で購入する場合であれば、16,666円未満を目安に商品を購入しましょう。
ただし、ニット製の衣類や革製のバック、手袋などは免税の対象外なので注意が必要です。
また、輸入する商品の総額が20万以下の貨物なら簡易税率が適用されます。
簡易税率の品目は6区分とアルコール飲料の区分で税率を確定できるため、実行関税率表から確認する必要がなく、税率を抑えることもできます。
ただし、犯罪に関わる貨物や産業に対する影響があるものなどは該当しません。
税率は原産地や品目、プロセスによって大きく異なるので、商品のHS区分を確認してから輸入するように気をつけましょう。
アメリカ・中国間の関税についてまとめ
この記事はアメリカ・中国間の関税について紹介しました。
2018年に始まった米中貿易摩擦によって関税の引き上げ分を企業や消費者が負担することで売上が減る企業もある一方で、中国からの仕入価格が低下したり、日本製品の競争力が向上したりと悪いことばかりではありません。
現在中国輸入転売ビジネスをしている方は中国輸入品を海外向けに転売するチャンスが来ていると言えるのではないでしょうか。
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