関税・税金について

中国輸入通関の簡易通関とは?徹底解説

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中国輸入の税関において簡易通関を利用したい方向けに、初心者でも簡単に理解できるよう、中国からの輸出入における税関の役割、簡易通関と簡易税率について解説しています。

本記事を読めば、税関や簡易通関について網羅的に知ることが可能です。

税関の役割

税関は国の入出境に関わる行政機関で、主な役割は輸入・輸出の監視と税金(関税)の徴収です。輸入物品の価格や種類、起源などを確認し、適切な関税を課します。また、税関では違法品の取り扱いや輸出入規制品の管理も行い、国内の秩序や安全を保つ役割も担っています。

関税率とは

関税率は輸入品の種類や起源によって決まり、税関はこれらの情報を基に関税を計算し徴収します。さらに、税関は国際的な貿易協定や国内の法規制に従って関税率が適切に適用されることを保証します。したがって、税関と関税率は密接に関連しています。

簡易通関とは?

簡易通関は日本において物品を輸入する際に、少額輸入貨物に関して簡易な手続きを行うことで、一般輸入貨物よりも迅速な通関を可能にする仕組みです。

ただし簡易通関として取り扱われるのは申告者が希望した場合に限られます。希望しない場合には、一般の通関と同様の手続きを行うことになります。

輸入申告書の品名欄の各欄の課税価格が20万円以下の輸入貨物が簡易通関の対象です。また以下の規定に該当する貨物も簡易通関の対象となります。

ただ以下の規定の適用を受ける場合には、簡易通関の対象とはならないため注意しましょう。

中国輸入における簡易通関のメリットとは?

関税を抑えることが可能

簡易通関の際の関税率には、「簡易税率」が適用されます。簡易税率はアルコール飲料とそれ以外の6区分に大別された品目分類により税率が確定され、通常の「実効税率」よりも税率が低いです。また実効税率が約9,000もの品目分類の中から、輸入貨物に該当する税率が適用される一方で、簡易税率は6区分の品目分類により関税率が確定されるため、簡単に計算できます。

必要証明書類が免除される

簡易通関では必要証明書類が免除されます。例えば実効税率が適用される場合、関税の免除を受けるためには「特定原産地証明書」が必要ですが、簡易通関の場合には、提出が免除されます。その他にも通関の場合には提出が免除される必要証明書類が複数存在し、より簡単に商品を輸入可能です。

中国輸入における簡易通関の申告方法について解説

中国輸入において、輸入貨物の簡易通関を希望する場合、輸入申告書に「少額貨物簡易通関扱」と表示して申告を行います。
申告を行うことで、輸入申告書における「申告種別符号・入港年月日・船荷証券番号・船(取)卸港符号・貿易形態別符号・原産国(地)符号・輸入者符号・減免税条項適用区分符号」などの各欄への記入を省略可能です。

中国輸入における簡易通関と簡易税率について解説

簡易通関についてはページの上部で解説しましたが、中国輸入においても同様です。
主に輸入申告書の品名欄の各欄の課税価格が20万円以下の輸入貨物が簡易通関の対象となります。品目ごとの簡易税率は以下の通りです。

品目(具体例)簡易税率
1酒類
(1)ワイン
(2)蒸留酒
(3)清酒・りんご酒等

70円/L
20円/L
30円/L
2トマトソース・氷菓・なめした皮毛(ドロップスキン)・皮毛製品等20%
3コーヒ・紅茶を除く茶・なめした皮毛(ドロップスキンを除く)等15%
4衣類および衣類付属品等10%
5プラスチック製品・ガラス製品・卑金属等3%
6ゴム・紙・鉄鋼製品・陶磁製品・スズ製品等無税
7その他5%

これらの簡易税率が送料・保険・その他の経費を含む商品代金に適用されます。

中国輸入における簡易通関の活用例

中国輸入において簡易通関を活用することで、関税を抑えることが可能です。
中国輸入ではアパレルは人気ジャンルの1つです。女性用のドレスを輸入するとしましょう。

女性用ドレスの実効関税率はWTO協定により10.9%です。
一方で簡易税率では10%のため、0.9%の関税を抑えることができます。

加工貿易と対外貿易の違い

加工貿易とは

加工貿易は、一国で商品の一部または全部を加工・組み立てし、その後輸出する貿易形態です。
例えば、中国で部品を製造し、他の国でそれを組み立てて完成品として輸出する場合などが該当します。加工貿易では、国内での加工作業や付加価値の創出が行われ、通関手続きでも輸出品に関税優遇措置や輸入規制の特例が適用されることがあります。

対外貿易とは

対外貿易は、国内と他の国との間で商品やサービスを交換することを指します。
商品の輸入や輸出が行われることで国際的な経済活動が行われます。

対外貿易では、国と国との間で取引が行われるため、関税や輸入規制、貿易協定などの通関手続きが関与することがあります。

加工貿易は対外貿易の一形態として位置づけられることがありますが、加工貿易は製品の加工・組み立てを中心に行われるのに対し、対外貿易は様々な貿易形態を包括しています。加工貿易では国内での付加価値の創出が重視され、関税優遇などの特例がある一方、対外貿易では国と国との間での取引が行われ、関税や輸入規制、貿易協定などが関与することが特徴です。

通関の際に気を付けること

正確な書類作成と情報提供

正確かつ詳細な輸入書類を作成し、税関へ提供することが重要です。商品の正しい分類や数量、価格などの情報を提供し、関税の正確な計算とスムーズな通関手続きを確保しましょう。

規制や制限の把握

各国や地域には輸入に関する規制や制限が存在します。特定の商品や材料には輸入制限があり検疫が必要な場合がありますので、関税や輸入規制についての理解と情報収集をしておくことで通関手続きをスムーズに行えます。

検疫とは

検疫は、国や地域への商品や動植物の輸入や輸出において、病気や害虫の侵入を防止するための手続きや規制のことです。検疫には厳格な検査や検疫証明書の発行が含まれ、輸入品が健康や安全基準を満たしていることを保証します。検疫当局は、農産物、食品、生物製品、動物、植物などの検疫を担当し、感染症や害虫の拡散を防ぎ、国内の生態系や人の健康を守る役割を果たしています。

申告価格の正確性

輸入品の申告価格は関税の計算に影響を与えます。申告価格を適切に設定し、適正な関税を支払うことが求められます。価格の過少申告や過大申告は関税法に違反することになりますので注意が必要です。

商品の検査と認証

特定の商品には品質検査や認証が必要な場合があります。関税の支払い前に商品の検査を受け、必要な認証を取得することが重要です。検査や認証を受けずに輸入すると、商品が押収されたり通関手続きが遅延したりする可能性があります。

通関業者との適切な連携

通関業者との適切な連携はスムーズな通関手続きを実現するために重要です。通関業者には関税や規制の知識があり、適切なアドバイスやサポートを受けることができます。信頼できる通関業者とのパートナーシップを築くことが成功につながります。

以上のポイントに注意し、適切な通関手続きを行うことで中国輸入の成功を目指しましょう。

中国輸入における簡易通関についてのまとめ

輸入申告書の品名欄の各欄の課税価格が20万円以下の輸入貨物が簡易通関の対象となります。
簡易通関を利用することで、関税を抑え、必要証明書類の提出の免除を受けることが可能です。

仕入れコストを抑えることができれば、その分利益率を高めることが可能なため、簡易通関で適用できる場合には積極的に適用を希望しましょう。

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