RFM分析を行うことで、顧客をセグメント化し、セグメントに合わせたマーケティングが可能になります。本記事ではRFM分析とは何かを解説したうえで、RFM分析の手順を解説していきます。
目次
RFM分析とは?

RFM分析とは「Recency(最新購入日)」、「Frequency(購入頻度)」、「Monetary(購入金額)」の3つの指標で顧客をセグメント化する手法です。行動ベースで顧客をセグメント化することで、より効率的なマーケティングが可能になります。
例えば顧客にDMを送る場合、全ての顧客にDMを送るのは効率的ではありません。しかしRFM分析を行い、優良顧客と見込みのない非優良顧客を分類することで、優良顧客にはバーゲンなどのDMを送り、非優良顧客にはDMを送らないといった施策が可能になります。
RFM分析の3つの基準

最新購入日が新しい顧客は、最新購入日が古い顧客よりも良い顧客と考えます。購入データの中から購入日時を確認し、その顧客の最新購入日を算出し、グループ化します。
どの程度頻繁に購入してくれたかを判断材料にします。購入頻度が高いほど、良い顧客です。顧客の購買履歴から過去の購入回数を抽出し、その回数が多い順番に並べます。顧客の購入頻度が全体として低い場合や、サービスレベルや料金などで顧客を満足させることができていない可能性があります。
顧客の購入金額の合計です。購入金額が大きい顧客ほど良い顧客と考えます。1回で5万円使った顧客と、3回で3万円使った顧客では、前者のほうが優先度は高いです。
RFM分析の一般的な解釈

Rが高い顧客ほど将来の収益に貢献する可能性が高い
Rが低ければFやMが高くても他社に奪われ離反している可能性が高い
Rが同じならFが高いほど常連客になっている
Rが同じならFやMが高いほど購買力がある顧客
RやFが高くてもMが少ない顧客は購買力が低い
Fが低くMが高い顧客はRの高い方が良い顧客
Fが上がらないか下がっている顧客は他社に奪われている可能性が高い
RFMすべてが低い顧客は切り捨てることも検討
参考:奥瀬喜之 久保山哲二(2012)『経済・経営・商学のための「実践データ分析」』講談社
RFM分析の手順

RFM分析を行う5つの手順を紹介します。
1:課題の明確化
RFM分析を行う前に、自社が解決するべき課題を明確化しましょう。あくまでRFM分析は手段であり、目的ではありません。また分析対象となる期間を決定します。
2:R・F・Mに基準を設定する
R・F・Mのそれぞれに基準を設定しましょう。一般的には5段階で設定します。例えばRなら最新購入日が1週間以内なら1、2週間以内なら2、1ヶ月以内なら3といったように基準を設定してください。
3:データの収集
CRMやPOSレジデータ、ショッピングシステムなどからデータを収集します。会員カードやユーザーIDに関連づけられた会員情報も重要です。
4:RFM分析の実行
分類したデータを分析し、基準に基づきセグメントしましょう。R・F・Mに5段階の基準を設定した場合、顧客は125のセグメントに分けられます。
5:分析結果に基づき対策を行う
分析結果と分析の目的を照らし合わせて、課題の解決策を考えましょう。例えば直近でサービスを利用しているが、頻度が高くない顧客が多い場合には、オンボーディングのサポート実施や良い顧客体験の早急な提供などの対策が考えられます。
RFM分析のデメリット

RFM分析を行うことで、顧客をセグメント化し、セグメントに合ったプロモーションの実行が可能です。しかしRFM分析は時期が変われば、顧客も変わるため、継続性がないと指摘されています。また購入時期や頻度、購入金額のみで顧客を判断するため、購入商品については顧客を理解できません。
そのためCTB分析を併用するケースや、RFM分析にCategory(カテゴリー)を加えた「RFMC分析」やItem(アイテム)を加えた「MRFI分析」が利用されることがあります。
まとめ

RFM分析は「Recency(最新購入日)」「Frequency(購入頻度)」、「Monetary(購入金額)」の3つの指標で顧客をセグメント化し、セグメントに合わせたマーケティングを可能にします。自社の課題を明確にしたうえで、RFM分析を行いましょう。

