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【解説】PESTLE分析とは?ビジネスの外部環境分析に役立つ基礎知識

PESTLE分析を行わずに、ビジネス判断を行なってしまうと、損失やブランドイメージの低下といった結果に繋がる可能性があります。そこで本記事ではPESTLE分析について解説していきます。

PESTLE分析とは?

PESTLE分析とはビジネスを取り巻く6つのマクロ環境を分析することです。「Political(政治的)」、「Economic(経済的)」、「Sociological(社会的)」、「Technological(技術的)」、「Legal(法的)」、「Environmental(環境的)」の6つの環境要因の頭文字を取って名付けられました。

PESTLE分析は、企業が展開するビジネスが置かれているマクロ環境を6つの視点から分析し、ビジネス判断の際に考慮するべき要素を可視化します。

PEST分析との違い

PEST分析はマーケティングの神様と呼ばれるフィリップ・コトラーが提供した、ビジネスを「Political(政治的)」、「Economic(経済的)」、「Sociological(社会的)」、「Technological(技術的)」の4つのマクロ環境を言い表した言葉です。しかしPEST分析は約20年前に誕生したフレームワークであり、今では不足している部分があります。そこで従来のPEST分析に「Legal(法律的要因)」と「Environmental(環境的要因)」の環境要因を加えたのが、PESTLE分析です。

PESTLE分析の6つの要因

Political(政治的)

政治的環境の変化がビジネスに与える影響は大きいです。特に規制が多い業界では、政治の方向転換により、ビジネスモデルが一変することがあります。例えば最近では民泊に関する規制が変わりました。以前はホテル業では10室以上、旅館業では5室以上の空間が必要という規制が撤廃されたため、民泊業界には向かい風です。

Economic(経済的)

経済的な環境要因も重要です。景気の上がり下がりや雇用率、賃金動向などを考慮しましょう。例えば景気が良くなれば、エンドユーザーの消費率が上昇し、物価が変動します。また特定の属性レベルでの経済的要因の評価を行うことも大切です。

例えば自社のブランドが、若年層に魅力的なスタイルとしてポジショニングを行なっているのであれば、若年層の経済的要因を考慮したうえで、価格を決定します。経済的要因を無視して、可処分所得を多く持つ、中高年層向けの価格帯にするべきではありません。

Sociological(社会的)

新たな文化の出現や流行の変化、世間を騒がす社会的問題の発生など社会的要因です。ビジネスモデルが社会的・文化的に受け入れられるかは、新しい市場を切り開く際に特に重要です。現在ではSNSの流行によってより社会的要因が強くなっています。

Technological(技術的)

技術的要因はこれまで紹介した3つの要因と比較して、理解が簡単です。前述の3つの要因は前時代的な動きをすることがありますが、技術革新は常に未来に向かっているためです。ただ影響が大きいため、乗り遅れると痛手となる可能性があります

テクノロジーの現在と未来についてはアメリカのカードナー社が発行するグラフ指標である「ガードナーのハイプサイクル」を参考にすることをおすすめします。

Legal(法律的要因)

法的な問題は利益だけでなく、ブランドに大きな影響を与えるため、必ず考える必要があります。特にグローバルに事業を行う場合には、各国の法律に注意が必要です。例えば日本とイギリスでアルコールのプロモーションが行うのであれば、日本国内では20歳以上のみが閲覧できるように設定し、イギリスでは18歳以上のみが閲覧できるように設定するべきでしょう。

Environmental(環境的要因)

21世紀では環境的要因の重要性が増加しています。環境に良いイメージを与える商品やブランドはエコなマインドを持っている顧客を引きつけます。自社のブランドの環境配慮について評価するのは簡単ではありませんが、ブランドで用いる素材やパッケージ包装、廃棄物の処理方法について見直してみるのも良いでしょう。

まとめ

ビジネスでは顧客や競合他社の分析も重要ですが、自社を取り巻くマクロ環境を分析するのも重要です。PESTLE分析を行い、マクロ環境を理解したうえで、ビジネス判断を行いましょう。

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