確かに人気のあるキャラクターの商品は売れる見込みもあるので魅力的に映るかもしれません。
しかし、キャラクターものには法的な権利もかかわってくるので、その扱いには注意が必要です。
そこで今回はキャラクターにまつわる法的権利を紹介しながら、キャラクター商品を扱う際に気を付けたいポイントについて説明したいと思います。
個人輸入希望者必見!キャラクターを守る法的な権利3選とは?
店舗やネット通販で様々なキャラクターグッズが売られているのをよく見かけることでしょう。このような現状を見ていると、キャラクターグッズは簡単に販売できるのかなと勘違いしてしまいそうですよね。
しかし、実はキャラクターそのものやキャラクターの生みの親を保護する法的に認められた権利があり、キャラクターグッズを販売する為にはまずそれを理解する必要があります。
そこでまず、その法的に認められた権利についてお話していきましょう。
具体的には以下の3つの権利があります。
- 著作権
- 商標権
- 意匠権
これらの3つの権利は※知的財産権というものに含まれます。
ではそれぞれをもう少し詳しく見ていきましょう。
※人の知恵から生み出されたアイデアや知識などは世の中を豊かにする財産であり、知的財産と呼ばれます。そして、その権利を守ることを知的財産権といいます。
個人輸入の際に気をつけたいキャラクターを保護する法的権利とは?【著作権編】
キャラクターを守るためにある法的権利の中に著作権というものがあります。
この著作権という言葉。
多くに方は聞いたことあるのではないでしょうか?
でも、言葉は聞いたことあってもどんな権利なのかよく知らないという方もいるかと思うので、まずは著作権について簡単に説明していきたいと思います。
【著作権について】著作物、著作者、著作権の意味
著作権とは著作者が作った著作物は価値ある財産とみなされ、著作者以外の方が許可なしに勝手に使用したり、真似したりしてはいけないといったものになります。
では、先ほどから何度も出てくる著作が付いた言葉(著作者、著作権、著作物)。
それぞれの言葉がどういう意味なのかここで簡単に説明します。
- 『著作物』とは音楽やイラスト、デザインといった、その人の考えや気持ちを作品にあらわしたもの
- 『著作者』とは著作物を作った人
- 『著作権』とは法律によって著作者に与えられた権利
著作権は著作物を作った時点で自動的に発生し、著作権がある著作物は、著作者以外の方が無断でコピー、改変、することは一切できません。
キャラクターは著作権がない!?意外と知らない驚きの事実
著作物とは自分の気持ちや考えを作品として表したものだと前述しましたが、その中に当然キャラクターも含まれていると思う方は多いのではないでしょうか?
しかし実際は、キャラクター自身は著作物の概念に当てはまらず、著作権がないのです。
ちょっと意外ですよね。
ではいったいキャラクターに関して何が著作権の保護対象となるのでしょうか?
それは、キャラクターが登場する小説や漫画といったものや、キャラクターの原画といった具体的な創造物になります。
だとしたら、ここで思うのが、「キャラクター自身に著作権がないのであれば使用してもいいでは?」ということです。
使用してもよさそうに感じるかもしれませんが、実は使用することはできません。
あくまでキャラクターが描かれたオリジナルのイラストには著作権があるので、それを模倣したり、コピーしたりすれば、著作権法違反となりますので注意しましょう。
個人輸入の際に気を付けたいキャラクターを保護する法的権利とは?【商標権編】
キャラクターを保護する法的な権利2つ目は商標権です。
早速「商標権」がどんな権利なのか見ていきましょう。
商標権とはキャラクターの権利をより強く守る権利
商標権とは、会社や個人の商品やサービスを表すロゴや文字などといった商標を保護する法律で、著作権に比べてより強い効力を持ちます。
しかし、商標権は著作権と違い自然に発生するわけではなく、商標登録するためには特許庁への申請、審査へのパスが必要で、モノによって商標登録の有る無しが違います。
商標権のあるキャラクターの模倣、無断使用は犯罪行為
商標権を持つキャラクターはその権利が強く守られ、キャラクターを商標登録した商標権者はそのキャラクターに対して独占的に使用できる絶対的な権利を持つことになります。
したがって、もし、商標権があるキャラクターを無断使用すると、商標権侵害という罪になり、使用差し止めや損害賠償支払い等に罰せられます。
くれぐれも商標権のあるキャラクターを無断で使用することのないようにしましょう。
個人輸入の際に気をつけたいキャラクターを保護する法的権利とは? 【意匠権編】
キャラクターを保護する法的権利3つ目は意匠権です。
この権利について最後に解説します。
意匠権とはコピー商品や類似商品を排除する独占権
意匠権は製品や商品のデザインについて独占権を認めるものになり、コピー商品や類似商品といったものに大きな効力を持ちます。
その為、もし万が一意匠権があるデザインを真似した商品を出してしまうと、強制的な販売停止や、損害賠償支払いなどに罰せられます。
したがって、キャラクター商品を扱うのであれば意匠権有無の確認をくれぐれも忘れないようにしましょう。
個人輸入でキャラクターグッズを扱う時の注意点とは?
キャラクターにまつわる知的財産権のうち代表的な3つの権利について見ていきました。
では、キャラクターグッズを扱いたいと思う方が一体どんなポイントに気を付けなければいけないのか?最後に見ていきましょう。
商標権、意匠権のあるキャラクターグッズ販売は許可なしでは不可能
キャラクターグッズを取り扱いたいのであれば、著作権に合わせて、特許庁が認めた、商標権、意匠権がそのキャラクターにあるのか確認が必要です。
もし、著作権と合わせて、商標権、意匠権がある場合、それぞれの権利者の許可なしにキャラクターを無断使用することは絶対にできません。
それは必ず念頭に置きましょう。
キャラクターグッズの商品化には知的財産権利者との契約が必須
それでもやはりキャラクター商品を販売したいと考えるのであれば、キャラクターを商品化するうえでキャラクターの著作権、商標権、意匠権を有する権利者との間で細かい取り決めや契約をすることが必要です。
契約の一つとして例えば、使用料(ロイヤリティ)を払いキャラクターの使用許可をもらうライセンス契約といったものがあげられます。
こういった契約になると個人で行うのは難しいので、弁理士や弁護士等の専門家に間に入ってもらって契約を進めるのが望ましいでしょう。
中国輸入で買付したキャラクターグッズは偽物。取り扱うのはやめよう。
『キャラクター商品を扱う上で、前述したライセンス契約等をするのは面倒だ。
だったらタオバオやアリババ等でキャラクターグッズを買い付けて日本で売ったほうが早い』
と考える人も中にはいるかもしれません。
しかし、そのようなサイトで出回っているキャラクターグッズのほとんどは偽物やコピー商品です。
安易に仕入れて販売してしまうと、知的財産権にひっかかり、販売先のアカウント停止だけにとどまらず、罪に問われてしまうので、決してそのような商品は買付けないようにしましょう。
また、正規のキャラクターグッズを購入して転売するという方法も思いつくかもしれませんが、販売元に転売禁止となっている場合は、キャラクターグッズの転売はできないので、そちらも併せて覚えておきましょう。
知的財産権を侵害してまでキャラクターグッズは扱わない
キャラクターには生みの親がいて、その人にはそれを作ったことで得られる権利があります。
それを侵害してまでキャラクターグッズを売るということはあってはいけません。
きちんとした段取りを踏んだうえで、キャラクターグッズ販売を行いましょう。
最後に
いかがでしたか?
キャラクターグッズは著作権、商標権、意匠権の知的財産権が絡み、キャラクターの無断使用は絶対にできません。
それを理解した上でもしキャラクターグッズ販売をやってみたいと思うのであれば、まずはそのキャラクターやキャラクターの作者への敬意を払い、そのキャラクターのイメージを損なわないこと、そして、きちんとした使用許可を得てから扱うようにしましょう。