Amazonを使った物販ビジネスでは、ありとあらゆる商品を取り扱うことができます。しかし、中には取り扱いに注意が必要な、Amazonが「危険物」と定義する商品も含まれているのです。
「Amazonが定義する危険物とは?」
「危険物をFBA納品する方法はあるの?」
今回はこのような疑問にお答えしたいと思います。
「中国輸入ビジネスで成功したい!」という方は、ぜひ最後までお付き合いください。
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「危険物」とは、各種の法律や国際航空運送協会によって危険物として輸送が規制されている商品である
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危険物には、日常的に使用する商品も複数含まれている
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FBA納品とは、Amazonで注文された商品の梱包・発送・決済などの業務を全てAmazonが請け負ってくれる納品方法である
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危険物をFBA納品するためには、特別な許可を取る必要がある
Amazonが定義する「危険物」とは
Amazonが定義する「危険物」とは、各種の法律や国際航空運送協会によって危険物として輸送が規制されている商品を指します。危険物の保管・輸送方法には法的な決まりがあるため、販売・転売を行うためには特別な手続きを行う必要があるのです。また、中には一切取り扱うことができない危険物も存在するので、商品を販売する際には注意しましょう。
まず具体的に危険物とは、どのような商品があるのでしょうか。下記の表をご覧ください。
爆発物・火薬類 |
花火・クラッカー・発煙筒・爆竹 |
引火性ガス |
ガス入りライター・引火性エアゾール類、小型燃料ガスボンベ、カセットコンロ用ガス |
非引火性ガス |
酸素・炭酸・エアガンガス・ヘリウムなどの圧縮ガス、消火器、液体窒素、ダイビング用ボンベ・ソーダストリ ームのカートリッジ |
引火性液体 |
オイルライター、ペイント類、ネイルグッズ、香水、接着剤、ガソリンアルコール、印刷用インク、香料、灯 油、アロマオイル、アルコールやグリセリン、精油などの引火性液体を原料に使用した、消毒液や化粧品、 一部のヘアオイル |
可燃性物質 |
マッチ・カルシウム・マグネシウム・着火剤・活性炭・ピンポン玉・アルコールタイプのウェットティッシュ |
酸化性物質 |
漂白剤・小型酸素発生器・過酸化水素水を含む育毛剤 |
毒物類 |
殺虫剤・農薬・消毒剤・バクテリア・ウィルス・蚊取り線香 |
放射性物質 |
ウラン鉱石・イオン化式煙探知機 |
腐食性物質 |
カーバッテリー・一部の洗剤・台所用漂白剤・水銀・硫酸・酢酸・チオ尿酸 |
その他 |
エンジン・強い磁石・電動自転車 |
「接着剤」「ウェットティッシュ」「殺虫剤」など、日常的に使用する商品にも危険物が複数含まれていることに、驚いている方も少なくないのではないでしょうか。
Amazonでは危険物にあたるモバイルバッテリーや充電器、ヘッドホンなどは普通に販売できますが、中には販売数量に規制のある商品もあるので注意してください。
これらの商品の共通点は、下記の通りです。
- 商品・パッケージに「腐食性」「可燃性」「刺激性」「有害性」「環境に有害」「有毒」「限定量」「危険」「まぜるな危険」などの警告が表示されている
- 引火点が250°C以下
- スプレー缶に入っている
- 圧縮されたガスである
普通に出品している商品も規制の対象になる可能性が
Amazonで普通に出品していて今まで問題のない商品でも、今後Amazonから指摘される可能性のある商品があります。
それはAmazonの危険物確認ガイドで数量限定で販売できる商品に分けられているものです。
クラス | 分類 | 名称 | 輸送ラベル | 危険物表示 |
---|---|---|---|---|
2 | 2.1 | 可燃性ガス | ||
2.2 | 不燃性ガス、非毒性ガス | |||
3 | – | 可燃性液体 | ||
4 | 4.1 | 可燃性固体 | ||
5 | 5.1 | 酸化性物質 | ||
5.2 | 有機過酸化物 | |||
6 | 6.1 | 毒物 | ||
8 | – | 腐食性物質 | ||
9 | – | その他の危険物質 |
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参照 : 危険物確認ガイド – Amazonセラーセントラル
実際に中国から輸入して販売する商品の中にはスマホやPC関連、美容に関するグッズも多いため、バッテリーやアロマ、インクなど数量を気にする必要のある商品も存在します。
販売量が増えることで制限内に収まらない可能性もでてくるため、危険物表示のある商品を新しく輸入する際には数量を気にしておきましょう。
上記の危険物表示がある商品は数量限定で販売することができますが、FBAではまったく取り扱えない商品もあります。
クラス | 分類 | 名称 | 輸送ラベル | 危険物表示 |
---|---|---|---|---|
1 | – | 爆発物 | ||
2 | 2.3 | 毒性ガス | ||
4 | 4.2 | 自然発火しやすい物質 | ||
4.3 | 濡れると危険な物質 | |||
6 | 6.2 | 感染性物質 | ||
7 | – | 放射性物質 |
花火や殺虫剤、塗料やワックスといった爆発物や自然発火しやすい物質などが含まれる商品はFBA倉庫ではそもそも保管できません。
そのためAmazonのFBAを利用して販売を検討している方は、商品の保管や取り扱いの難しい商品は個人発送にしましょう。
危険物とFBA納品
次に、危険物をFBA納品する方法を解説します。
FBA納品について
そもそもFBAとは「Fulfillment by Amazon」の略称です。フルフィルメントは、通販サイトにおいて商品が消費者の元に届くまでに必要な業務全般を指します。つまりFBA納品とは、Amazonで注文された商品の梱包・発送・決済などの業務を全てAmazonが請け負ってくれる納品方法のことです。
Amazonで販売したい商品をフルフィルメントセンターへ送るだけで、それ以降の作業はすべて委託できるため、副業として物販ビジネスをやっている方にとっても大きなメリットのあるサービスと言えるでしょう。
ただし、フルフィルメントセンターへ送れる危険物表示のある商品は限られているため注意が必要です。
そもそも危険物をFBA納品するためには、Amazonで特別な許可を取る必要があります。なぜならば、危険物の保管・輸送の方法については、法律でルールが定められているからです。従って、Amazonは事前に取り扱う商品が危険物であることがわからなければ、在庫管理をすることができなくなってしまうため、危険物は事前に申請するシステムになっています。
こうしたことから、フルフィルメントセンターへ危険物表示のある商品を許可なく送ってしまった場合、着払いで送り返されてしまうので無駄なコストが増えてしまったり、販売が制限されてしまったりするので注意しましょう。
危険物をFBA納品する許可を取る方法
危険物のFBA納品許可を取るための流れは、下記の通りです。
納品する商品が危険物として規制されているか否かを確認する責任は出品者にあります。上記の流れに沿った手順で許可を取らずに納品をした場合、重大な納品不備として扱われコーチングレベルが引き下げられる可能性がでしょう。
コーチングレベルは「軽微」「悪化」「最大」の3つの段階に分けられており、段階によって発生する手数料は異なります。実際にフルフィルメントセンターへ送る商品に不備があると、コーチングレベルが引き下げられて納品不備受領作業手数料に影響が出る可能性があるので注意してください。
実際にAmazonで危険物を納品する方法
以前までは危険物の取り扱いリクエストフォームから事前申請するようになっていましたが、2022年5月よりセラーセントラル上から申請するように変更されました。
FBA出品情報の作成時やFBAへ切り替えを行う商品は、該当する危険物情報を入力する必要があり、安全データシートや適用除外シートをアップロードしてFBA納品に該当している商品かどうかを証明することもできます。
この安全データシートや適用除外シートをAmazonにアップロードするためには、セラーセントラルアカウントの「危険物の分類を管理する」から行いましょう。
Amazonで危険物を出品する際には、商品情報に危険物情報を追加して、販売停止とならないように注意してください。また、化粧品や塗料などの薬品や毒物といった危険物が含まれている商品は、重量によっても出品制限があるので覚えておきましょう。
危険物の納品の仕方がよく分からない方は、フルフィルメント by Amazonかんたん納品マニュアルを参考に納品処理を行ってみてください。
危険物をFBA納品する際の注意点
危険物をFBA納品する際には、通常のルールに加えて、下記のものを追加で守る必要があります。
- 輸送箱の側面にラベルを貼付する
- 納品可能サイズは「小型」「標準」のみ
- 混合在庫での納品は不可
- 梱包材や緩衝材は紙製が指定されている
これらのルールを破った場合には、FBA納品の利用停止・アカウント凍結などに繋がる危険性がありますのでご注意ください。
輸送箱の側面にラベルを貼付する
FBA納品には梱包要件があり、Amazonが定めている要件に従って商品の梱包をしなければなりません。
危険物に分類される商品はフルフィルメントセンターで分かりやすいように、1つのダンボールにつき1つの「危険物 在中」の表示が必要です。この表示はA5以上の指定があるので、要件に従ってダンボールの側面に貼り付けて送りましょう。
納品可能サイズは「小型」「標準」のみ
通常Amazonのフルフィルメントセンターへ納品できる商品のサイズは、下記のように分類されています。
梱包済み商品の最大重量および最大寸法 | |||||
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商品サイズ区分 | 重量 | 最長辺 | 中間辺 | 最短辺 | 寸法* |
小型サイズ | 250g | 25cm | 18cm | 2cm | 45cm |
標準サイズ | 9kg | 45cm | 35cm | 20cm | 100cm |
大型サイズ | 40kg | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 200cm |
特大サイズ | 50kg | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 260cm |
上記のように小型から特大とサイズ区分が分かれており、通常のFBA納品は大型までです。しかし、危険物が含まれる商品は小型サイズもしくは標準サイズとなっており、50㎝×60㎝×50㎝以内で30㎏までと決まってるので注意しましょう。
混合在庫での納品は不可
危険物の納品は他の通常商品と混合すると管理に手間がかかってしまうため、一緒のダンボールに梱包して納品することはできません。つまり、JANコードを使用した混合在庫での納品ができないということです。
そのためセーラーセントラルのドロップメニューから行える「Amazon納品」では危険物と通常商品を分けて情報を入力しなければなりません。また、危険物の商品ラベルは1つずつ商品に貼り付ける必要があるので注意しましょう。
梱包材や緩衝材は紙製が指定されている
危険物にはさまざまな薬品や毒物が含まれていることもあるので、梱包材や緩衝材は指定されています。
通常の商品は「クッション」「エアキャップ」「紙」から適切な資材を選択して利用することができますが、危険物の梱包材は紙が指定されていることを覚えておきましょう。
出品商品が危険物か確める手段
出品する商品が危険物に該当するかわからない状況は意外と多く、こうした場合ASINチェックツールを利用して危険物かどうかの判断が可能です。
そもそもASINコードとは「International Standard Book Number」の略称で、Amazonが商品を識別するための10桁の番号コードのことを指します。
ISOによって認定されているISBNと同じような商品識別コードのことで、書籍以外の商品にASINコードが与えられており、Amazonで流通するすべての商品の管理に役立てられているのです。
このAJINコードをチェックするツールを利用するためには、まずセラーセントラルにログインしましょう。次に「Amazonで危険物として規制される可能性のある商品一例」から利用可能で、ASINの検索にチェックを入れて使用します。危険物かどうか判断できない商品のAJINコードを入力すると、危険物の判定ができるでしょう。
AJINコードをいちいち入力するのが面倒に感じるかたはAmazonセラーアプリでも確認できます。
セラーアプリ上部にあるカメラマークで商品のバーコードを読み込み、表示される商品情報の右側にある矢印をクリックしましょう。すると商品の詳細が表示され、危険物に該当する商品は画面右側に危険物を表すマークが表示されるようになっています。
危険物の出品は販売停止や手数料の支払いといったリスクを伴うため、危険物に該当するかもしれない商品はすべて、チェックツールやアプリを利用して確認してください。
※こちらで紹介している方法や手順は時期によって変更される可能性があります。
まとめ
この記事ではAmazonのFBA納品に関わる危険物について解説しました。
Amazonが定義する「危険物」とは、各種の法律や国際航空運送協会によって危険物として輸送が規制されている商品を指します。
危険物に該当する項目は10項目あり、その中には「接着剤」「ウェットティッシュ」「殺虫剤」など、日常的に使用する商品も複数含まれていることから、FBA納品時には注意が必要です。
そもそもFBA納品とは、Amazonで注文があった商品の梱包・発送・決済までを全て請け負ってくれる納品方法で、Amazonで物販ビジネスをされている方のほとんどが利用していると言われています。
このFBAでは危険物も納品できますが、Amazonに特別な許可を取る必要があるのです。「事前に許可を取らない」または「危険物をFBA納品する際の追加ルールを守らない」といった場合は、重大な納品不備として扱われます。こうした場合、FBA納品の利用停止・アカウント凍結などに繋がる危険性があるので注意してくださいね。