中国輸入ビジネスは、多くの人が始めやすいビジネスと言えます。
しかし、最もハードルが高い部分の一つが「輸出入が絡んでいる」ことです。ここはしっかりと事前に勉強をしておかないと、トラブルに発展する可能性があります。
「中国輸入ビジネスに関わる税関について知りたい」
「通関保留になった商品を取り返す方法が知りたい」
今回は、このような疑問にお答えしたいと思います。
「中国輸入ビジネスで成功したい!」という方は、ぜひ最後までお付き合いください。
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税関とは、国境を通過する人、貨物、船舶、航空機に関する取締を行う国家の機関である
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中国輸入ビジネスでは特に「薬事法」「ワシントン条約」「偽ブランド品」の三つの規制に注意が必要
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通関保留になってしまった場合は、まず管轄の税関に電話しよう
税関とは?
税関とは、国境を通過する人、貨物、船舶、航空機に関する事務および取締を行う国家の機関です。
貨物や外国貿易船に対する関税の徴収、および通過する輸出入貨物などを主な業務です。日本では、全国に9カ所置かれています。
税関が必要な理由は、「東京税関のホームページ」には下記の通りに記載されています。
外国から輸入される貨物については、わが国の産業、経済、保険、衛生、公安及び風俗等に悪影響を及ぼすものがあり、これらの貨物について、わが国では、それぞれの国内法令によって「輸入の制限」を行っています。
簡単に言うと、外国の物を何も検査せずに国内に入れることは危険なので、必ずチェックをする必要があるということです。
税関で没収される商品
それでは、輸入が禁止されている商品はどのようなものでしょうか。
- 麻薬、向精神薬、大麻、あへん、けしがら、覚せい剤、あへん吸煙具
- 指定薬物(薬物医療等の用途に供するために輸入するものを除く)
- けん銃、小銃、機関銃、砲、これらの銃砲弾及びけん銃部品
- 爆発物
- 火薬類
- 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律第2条第3項に規定する特定物質
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第6条第20項に規定する一種病原体等及び同条第21項に規定する二種病原体等
- 貨幣、紙幣、銀行券、印紙、郵便切手又は有価証券の偽造品、変造品、模造品及び偽造カード
- 公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品
- 児童ポルノ
- 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品
- 不正競争防止法第2条第1項第1号から第3号まで又は第10号から第12号までに掲げる行為を組成する物品
また輸入が禁止されていなくても、法律によって規制されている場合もあります。
中国輸入の場合は、特に「薬事法」「ワシントン条約」「偽ブランド品」の三つに注意が必要です。
「薬事法」は、人の体に使用するものを主に規制しています。つまり、「健康グッズ」「美容グッズ」などは通関保留になってしまう可能性が非常に高いです。例えば、美顔ローラーなどはアウトです。
「ワシントン条約」は、動植物に対する規制です。該当している革や木材が使用されている商品は、確実に没収されます。革のカバンなどは特に注意が必要です。
「偽ブランド品」は、知的財産権を侵害するとして、確実に没収されます。その上、没収されなかったとしても販売は違法などで必ず避けましょう。
税関で保留中になってしまった場合の対応策
税関で没収された商品は、すぐに処分されるか、確認のために保留になるかどちらかです。
仮に保留になった場合、「外国から到着した郵便物の税関手続のお知らせ」と印字されたハガキが届きます。
原則、商品の保留の場合は電話と書類送付で解決できる場合が多いです。下記のステップで解決を試みましょう。
- 管轄の税関に電話する
- 税関職員の指示を仰ぐ
- 通関許可の確認をする
まず、管轄の税関に電話をしましょう。「外国から到着した郵便物の税関手続のお知らせ」のハガキに税関の出張所の電話番号が記載されています。
必ず聞かれるので、事前に荷物の「追跡番号・通知番号」を準備しておくとスムーズです。
そして通関留保の原因が「輸入規制対象商品」であった場合は、必要書類を提出することで、通関が可能です。税関職員の指示を仰ぎ、迅速に対応しましょう。
まとめ
税関とは、国境を通過する人、貨物、船舶、航空機に関する事務および取締を行う国家の機関です。日本に悪影響を及ぼしうる貨物を制限する任務を担っています。
税関では、輸入が禁止されているものが12種類あります。その中でも中国輸入の場合は、特に「薬事法」「ワシントン条約」「偽ブランド品」の三つに注意が必要です。
仮に商品が通関保留になった場合、「外国から到着した郵便物の税関手続のお知らせ」と印字されたハガキが届きます。
そのハガキを元に、まず管轄の税関に電話し、税関職員の指示を仰ぎましょう。書類送付で解決できる場合が多いです。